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「中岡博士のちょこっとエコ」

#5 どうすれば省エネ?/我慢せず、無駄を排除

2012年8月14日掲載(陸奥新報


 東日本大震災で太平洋沿岸の火力発電所や原子力発電所が津波によって大きな被害に遭い、停止してしまいました。その後、火力発電所は徐々に復活したものの、原子力発電所は安全性が問われて全て停止しました。このため、私たちの暮らしの中心的なエネルギーである電気が大幅に不足してしまい、省エネと節電が呼び掛けられています。
 特に夏の暑い昼間は日本中で一番電気が必要となるため、輪番停電があったり、節電の具体的な数値目標が示されたりもしています。一方、LED(発光ダイオード)に代えれば良い―と高価な電球を買う人もいます。暮らしの中で、何をどのようにすれば真の省エネ・節電になるのでしょうか。

「中岡博士のちょこっとエコ」私たちの使っているエネルギー
 今、電気が足らないので省エネ・節電が必要なのは事実ですが、それでは電気が潤沢に供給されるようになったらどうしますか。今私たちが考えなければならないのは、もっともっと先の人類のために、化石燃料を節約することと、地球温暖化を少しでも遅くするためにどうするかです。東日本大震災は、良いきっかけを作ってくれたと思うべきなのでしょう。
 省エネや節電を考えるためには、私たちの暮らしの中で、何にどれだけエネルギーを使って、二酸化炭素を排出しているかを知ることです。そして、我慢するのではなく、その中の無駄を排除することです。
 暮らしで使うエネルギーは二つに分類されます。一つ目は自分の意思でスイッチを入れて使っている「直接エネルギー」です。中身は家庭で使われる電気やガス、灯油、ガソリンです。メーターがあり、支払いがあり、比較的すぐにどれだけ使ったかが分かるものです。
 一方、私たちは生活をするために、多くの"もの"を購入します。この"もの"が作られてから処分されるまでに費やしたエネルギーと二酸化炭素が、二つ目の「間接エネルギー」です。
 1994年以降の統計はありませんが、直接分と間接分はほぼ半々とされています。これらをどうやって節約するかが重要なのです。
 
(エコット政策研究センター代表・中岡章、千葉県在住)
 
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