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「中岡博士のちょこっとエコ」

#3 温暖化は止まらない/「省CO2の生活必要」

2012年7月31日掲載(陸奥新報


 今回は化石燃料資源を使ったことが原因の地球温暖化について。

「中岡博士のちょこっとエコ」化石燃料からのCO2排出量と大気中のCO2量

 地球温暖化は、二酸化炭素(CO2)による効果が大きいです。産業革命以降に排出されたCO2によって大気中の濃度は上昇し続け、地球の平均気温は1度弱上昇したと言われています。その結果、海水の温度は上昇し、体積が膨張して水面を上昇させ、蒸発量が増えて豪雨や巨大台風を発生させています。一方、地上では異常乾燥が起こり、干ばつになっています。
 なんとかしなければと、世界が具体的に動いたのが1997年12月の地球温暖化防止京都会議です。この会議で2012年までの温室効果ガス削減目標を定め、先進国は平均で90年比5%減らすことにしました。日本は6%減としました。今年は期限の年です。
 京都会議で約束したことは、ほんの手始めの取り決めです。と言いますのは、平均5%の削減を守ったとしても、95%の量は毎年放出され続け、大気中にどんどんたまっていきます。すなわち、地球温暖化は止まらないのです。
 もし、大気中の二酸化炭素濃度を今のまま保ちたいのであれば、今から世界中で化石燃料を使わないようにするしかありません。だからと言って、直ちに化石燃料の利用をやめることはできません。なぜなら、石油がなければ飛行機は飛べません。ガソリンがなければ走れない車がほとんどです。もし今、車や飛行機を使えなくなったとしたら、困る人が大勢いるでしょう。
 そう考えていくと、産業革命以降に化石燃料を使い続けたことが人類にとって本当に良かったのか―と悩んでしまいます。でも、労働力を人や動物に頼った生活から解放されたことは、とても素晴らしいことです。
 東日本大震災以降、発電に化石燃料が多く使われるようになり、地球温暖化対策の上では逆行しています。その点からも私たちはしっかりと省エネをし、「省CO2」の生活をすべきだと思います。


(エコット政策研究センター代表・中岡章、千葉県在住)  
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