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#1 こんな省エネあり?/生活全て把握し直す2012年7月17日掲載(陸奥新報)皆さんはじめまして。「エコット家計簿」を作った中岡章です。私はこの10年ほど、エネルギー問題や環境の大切さについて、全国を回ってお話ししてきました。読者の皆さんの中には、ご存じの方もおられるかもしれませんね。 さて、第1回目となる今回は、エコット家計簿を開発することになった出発点をご紹介します。 ある年の夏、ある自治体の主催で「省エネ講演会」と「省エネ表彰式」が開かれました。私は講師に招かれ、エネルギー資源の枯渇や地球温暖化の現状と将来を解説し、省エネが不可欠であることと、そのためにしなければならないことを紹介しました。 講演後の省エネ表彰式は、夏休み期間中の電気使用量を前年と比べ、どれくらい減らせたかを競うコンテストでした。ご存知のように電気の検針票には、参考までにと1年前のデータが記載されており、コンテストはこの検針票を使って行われました。 結果、最優秀賞を獲得したのは、前年比70%を超える削減を達成した家族でした。2、3位の削減幅はいずれも40%台だったと記憶しています。 皆さん、どうやったら70%もの削減が可能だと思いますか。私自身の暮らしでは到底不可能です。いろいろ考えを巡らせてみたところ、ある考えが思い付き、受賞者にこっそり尋ねてみました。答えは私の想像通り、その家族は奥さまの実家でほとんどの時間を過ごしていたのでした。 果たして、これで省エネと言えるのでしょうか。電気のメーターの値だけではなく、日常生活で使う全てのエネルギーを対象に考え、減らす努力が真の省エネです。残念ながら、そのことを評価する尺度がなかったために、前述のコンテストのようなことになってしまうわけです。 そこで開発したのがエコット家計簿です。エコットという言葉にには、「ちょっとエコに」という思いを込めています。 (エコット政策研究センター代表、千葉県在住) メモ=なかおか・あきら 東京都出身、成蹊大学工学部卒。2011年3月まで弘前大学北日本新エネルギー研究所勤務。衣食住に費やした金額を記入して温室効果ガスの発生量を把握する「エコット家計簿」を開発し、全国各地で講演。工学博士 |
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